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「架装コラムを公開しました ― ステンレス製ハシゴについて ―」

「架装コラムを公開しました ― ステンレス製ハシゴについて ―」

「ステンレスで作れませんか?」という相談について

― 架装屋の現場で実際に起きている話 ―

このコラムでは、
架装の打ち合わせや現場でよくある相談について、
実際の経験をもとに整理していきます。

初回は、比較的ご相談の多い
**「ステンレスで作れませんか?」**という話題についてです。

シートキャリヤのステーは、条件がかなり厳しい部位です

写真のような、
キャブ~荷台間のシートキャリヤまで伸びるハシゴ(ステー)は、

  • 走行中、常に振動を受ける

  • 上部には重量のあるシートが載る

  • 前後左右に揺さぶられる

  • 根元(赤枠)に力が集中しやすい

という、材料にとってはかなり厳しい条件が重なっています。
シートは大型車であればあくまで目安ですが1巻40~60㎏と相当な重量になります。


「ステンレス=強い」は誤解

ステンレスは錆びにくく、見た目も良い素材です。
ただし、このような条件下では注意が必要です。

ステンレスと鉄で性質が違う理由

ステンレスと鉄の違いは、見た目だけでなく成分にもあります。
一般的なステンレスは、鉄にクロムやニッケルなどを加えることで錆びにくくしています。

その反面、材料としては硬く、粘りが少ない性質になりやすく、
振動や繰り返し荷重がかかる条件では、
ひび割れ(クラック)が入りやすい場合があります。

一方、鉄材はある程度の粘りがあり、
異常があれば変形として現れやすいという特徴があります。


実際に起きているトラブル

実際に、お客様の古い車両を拝見するとステンレス製のシートキャリヤのステー が
根元の溶接部からひび割れしているのを見たことがあります。

ステンレスは、鉄のように「少しずつ曲がる」前兆が出にくく、
ある日突然パキッと割れることがある点もリスクです。


ステンレスを使うなら「使いどころ」が大事

当社では、ステンレスの使用自体を否定しているわけではありません。

ステンレスを使うなら、

  • ボルト止めできて脱着可能なパーツ

  • 構造材ではない部位

  • 割れても即重大事故につながらない箇所

に限定すべき、というのが我々の結論です。

具体的には、

  • 工具箱

  • サイドバンパー

  • 蝶番類

  • セイコーラック

といった部位が該当します。
いずれもボルト止めによる交換が可能な部品です。


台枠についても、考え方は同じです

この考え方は、
ハシゴだけでなく台枠にも共通します。

台枠は、

  • 常に荷重を受ける

  • 走行中ずっと振動が入る

  • 架装全体を支える構造部材

という点で、材料に求められる条件は非常に厳しい部位です。

一方で、
腐食環境やメンテナンス性の面から
ステンレスの需要が増えているのも事実です。

そのため当社ではステンレスが悪いのではなく、

どこに、どう使うかが重要

という考え方で、
部位ごとに材料を判断しています。


「作れるか」より「使い続けられるか」

ステンレスでハシゴや台枠を製作している会社があるのも事実です。
ただ当社では、

「長期使用で、安心して使い続けられるか」

を最優先に考えています。

見た目や素材イメージだけで決めると、
使い始めてから困ることがあります。


まとめ

  • シートキャリヤのステーや台枠は、材料にとって厳しい条件が重なる

  • ステンレスは条件次第で金属疲労による割れが起きやすい

  • ステンレスを使うなら、ボルト止め・脱着可能な部品に限定する

  • 「作れる」より「安全に使い続けられる」ことが大切

この記事が、
これから架装を検討される方の参考になれば幸いです。


※補足

本コラムは、特定の会社や仕様を否定するものではなく、
例をもとにした一般的な考え方をまとめたものです。